コイ Koi Carp
●形態・特徴: 非常に多彩、オレンジ色を基調とした個体が多く金魚に似るが口元に2対の口ヒゲがあり見分けることができる。食性は雑食で水草から昆虫、小魚、ミミズ、貝類など口に入るものなら何でも食べる。ちなみにコイには胃は無い。産卵期は春から初夏にかけて、水草に産卵・放精するので養殖場では時期になると水草を浮かべたりする。通常は60cmほどだが稀に1mを超すものがいる、中には120cm,50kgにもなった個体も報告されているがニュージーランドでは最大75cm,10kgほど。
●生息環境: Waikato川の下流域やそこに接する湖、池などに生息。またTaranaki地方や Hawkes Bayの辺りでも増えつつある。生命力は非常に強く、汚れた水にも対応する環境適応能力に長けている、低酸素でも耐えることができ水から上げられても他の魚に比べて長く生きられる。
●釣り: コイを生かして輸送すると$5,000の罰金、また他の河川に放流、飼育、売買すると最高5年の懲役と$100,000の罰金になるので注意すること!
シーズンは暖かい時期だが1年を通して釣れる。餌は食パン、トウモロコシ、練り餌、茹でたサツマイモ、ミミズなど何でも食べる。コイを釣るのに河川でのゲームフィッシュのライセンスは要らないので気軽に誰でも釣りを楽しむことができる。餌に寄ってきて捕食するというよりコイの回遊ルート上に餌があると捕食するといった感じなのでポイント選びは重要、また数多く釣れるといったものでもない。
緋鯉系のカラフルな目立つ個体が多いのでクロスボウやスピアガンで狙うのも一般的。
●食味: 本来であれば清流などで数日泥抜きをすると良いのだろうが、他の河川に広げないため法律で生かして輸送することが禁じられている、そのため釣り場での血抜きが非常に重要。基本泥臭いので香辛料を多めに使った料理や味付けを濃くした料理が良い。内臓の中心あたりに苦玉と呼ばれる胆のうがあり黄色い液体が入っている、この液体には毒素が含まれているので潰さないように排除する必要がある。もし潰れた場合には粘着性が強いので流水でよく洗い流せばよい。身に多くの小骨があり、全部を取り除くのは難しいので皮をつけたままハモのように骨切りして調理した方が無難。また鱗を素揚げにするとパリパリとしたスナックができビールのおつまみに嬉しい。現地の人は料理をせずに海釣り用の餌とすることが多い。
●その他: IUCNの「世界の侵略的外来種ワースト100」に記載されるほど環境破壊の問題とされる種、魚類は8種記載されている。独特の捕食方法で川底を掘り返すので底に暮らす生物が絶滅する恐れがある、ワイカト川でもその生態系が崩れコイは害魚扱いである。
英語では 野生型をCarp、外来種をKoiと呼ぶことが多い、また別名はEuropean carp。