コモンシドニーオクトパス Sand octopus
ニュージーランド水域では46種類のタコ科の生物が確認されています。タコは日本人にとって、とても馴染み深い生き物であり、姿形や色を自在に変化させることで有名です。逆に言えば変化にとんだ形状や体色からタコがどの種類なのか判別する事はとても難しいです。できるかぎりいろいろな方に意見をいただき判断していきたいと思っていますが間違いがあるかもしれない事をご了承ください。
一般名:マダコ属Sand Octopus / Gloomy Octopus / Common Sydney Octopus
学名:Octopus Gibbsi シノニム Octopus Tetricus
●特徴: 興奮状態でない自然時には目が白く黒目から横に線が入ったように黒い斑紋が広がる。興奮時には白目が濃いオレンジ色の目になる事が多い。腕の下側にあたる吸盤付近はオレンジ色から赤褐色をしている。最大のポイントは白い目とオレンジ色の腕。私が撮った写真では目の下に3対の突起物が出ている事が多い。浅瀬の磯や砂地に穴をつくって住み貝を主に食べて暮らしている。全長は最大で1.3mほどになるが一般的には60cmほど。生息域は主にニュージーランド北島北部、オーストラリアの東海岸シドニー沿岸。以前、この種をPinnoctopus
Cordiformisとしていたためニュージーランドテナガダコと混同されることがある。
●食味: 日本のマダコと同じような料理法で加工すると良い。
粗塩をふり雑巾を絞るように力いっぱい揉む。ぬめりが出るので出たら水で流し、その作業を6回ほど繰り返すと完全にぬめりが取れる。その後こん棒や大根で足を一本一本丁寧に20分ほど叩く。大根で丁寧に叩くと大根に含まれるジアスターゼによりタコはより軟らかくなる。ちなみに茹ダコの加工工場では1時間ほど洗濯機に入れる。次にタコの重量比5倍ほどのお茶を入れた90℃ほどのお湯を用意しタコを湯でる。お茶に含まれるタンニンはタコの色つやを良くしてくれる、紅茶やほうじ茶でも大丈夫。タコの大きさにもよるが半生で茹でるなら5分程度、完全に火を通すなら20分ほどが目安。通常は12分〜15分ほど茹でるが沸騰させてはいけない、茹でた後は氷水で一気に冷やす。お湯が100℃で沸騰したり茹でた後に冷水に入れないと皮がボロボロに剥がれてしまうの注意。茹で上がって冷ましたらすぐに切って食べても良い。さらに旨みを増すために足を一本一本切りはずしラップで巻いて冷凍する。冷凍後にルイベのように薄く切ってワサビ醤油で食べる。また薄くしたものをシャブシャブにしても美味い。
●その他: 圧倒的にメスが美味しい。オスは旨みが少ないがメスは噛めば噛むほど旨みが身からあふれてくる。オスとメスの見分け方は右側の第三触手がオスは生殖行動のために形が違うのに対しメスは形が他の触手と変わらない。
●捕獲: ダイビングでの捕獲は、状況にもよるが通常は穴の中で見つける事が多い。穴に居る場合、逃げる事は無いが岩場などで擬態化している場合は逃げられる可能性があるので間髪入れずそのまま掴む。穴の奥に居る場合、一回覗き込んだ後に離れて見えない場所で放置。タコも状況を把握したいので眼だけ潜望鏡のようにムクムクと出てくる。奥が浅い穴の場合は放置せずに獲りにいく。あせらずじっくり見ているとタコはだんだん慣れてきて手が届くようになり、触れる範囲にきたらゆっくり逃げ場を与えながら足先など端を軽く押したり放置したりする。しばらくやっているとタコは泳いで逃げようと穴から出てくるので、その瞬間を逃さずにキャッチ!タコが出てくるのを待たずに、穴の中に手を入れて無理やり引き出そうとするとかなりの力が必要なうえに、奥のほうにどんどん入ってしまい獲れない場合も多い。穴が小さい時はタコの逃げ場が確保できないので棒のような物を使うと良い。
●捕獲動画:
http://www.youtube.com/watch?v=blS7HbvtIC8
http://www.youtube.com/watch?v=5YswtJI287Q
●棒を使った捕獲動画:
http://www.youtube.com/watch?v=OJfkvKQH1M8
●動画:
http://www.youtube.com/watch?v=j3SfWgFGktE
http://www.youtube.com/watch?v=Zm84ns6Abh4
http://www.youtube.com/watch?v=Wephq2y-Df0