ヒラマサ Yellowtail Kingfish
最大 Max
size: 全長 160cm TL
生息層 Depth range: 0m-825m
●形態・特徴: カンパチなどと共にブリの近縁種であるヒラマサは姿形もそっくりである。良く比べてみればヒラマサの方が上アゴが丸みを帯びている。カンパチは極稀に北島の北部に現れることがあるがニュージーランド水域にブリは居ない。背部は青緑で薄い光沢のある青銅色がかっている、腹部は銀白色。眼の脇を通るように黄色から黄土色したラインが特徴。平均サイズは全長60cm〜90cm。最大で160cm,60kg以上になるが40kg以上は稀。
●生息環境: 高温の海域を好む沿岸性の回遊魚で北島全域及び南島北部に生息する。夏場には浅い湾や港、汽水域にも餌を求めてやってくる。生態についてはわかっていない事が多く、いまだ産卵後の卵は外洋から見つかっていない。幼魚は外洋の浮遊する海草について生活する。1,2年で50cmまで一気に育ちその後、育つ速度は低下する。
●釣り: 釣りの対象魚として非常に人気が高くその瞬発力&馬力はまさにキングの名にふさわしい。日本のヒラマサと比べてニュージーランドのヒラマサの方が更に引きが強いとも言われる。大型の個体がいることで有名な所はThree Kings Islands / Bay of Islands / White Island / Gisborne。1年を通じて釣ることができるが特に夏の方が浅瀬に多く寄ってくる。具体的な時期で言うと11月後半から4月まで、特に12月から3月にかけては岸際で良く見かける。冬場でも餌の豊富なイワシの群れがある鳥山まわりや、湾の中でも特にアジが群れている場所では普通に釣れる。8月頃に釣れる肥った個体は特に美味い。磯での人気ターゲットでそのパワーのためラインが岩にかかりブレイクする確率が高い、岩場で規定サイズ以上のヒラマサを釣ることはまさに釣り師の憧れだ。釣り方は1年を通してメタルジグでのジギング又はアジなどの生き餌を使った泳がせ釣りが一般的、夏場はトップウォーターでも良く釣れるが冬場は渋い。持ち帰るには規定のサイズである「体長75cm以上」という条件を満たしていなければならない。1シーズンに10匹釣ったが1匹も持って帰れないなどということもよくある話。サイズに関する規定は毎年見直され地域によっても異なるので釣りに行く前に調べておくことが無難だ。
●釣り動画集(写真をクリックすると動画にとびます)
<ランドベース>
<マイボート>
<デイトリップ 中型チャーターボート>
<船中泊 大型チャーターボート>
●食味: なんといっても刺身が最高だが、照り焼き、塩焼き、あら煮などブリ料理と共通する。またブリに比べ脂ののりが少ないので酢の物にしても良い。一度冷凍すると味が格段に落ちるので早めに食べたいところだが1匹釣るとかなりの量になってしまうのがネック。冬場に丸々と太り脂をたっぷりとかかえたヒラマサは、脂ののらない夏場のヒラマサと比べ雲泥の差があるほど旨みが違う。頭部やカマは釣ったその日にでも塩焼きやあら煮にして美味しくいただけるが、身の部分は2,3日寝かせてから食べた方が身がほどよく柔らかくなり旨味が出てきて良い。
ヒラマサの刺身と脂のたっぷりのった白いハラミのにぎり寿司。最高に美味い!
●その他: 一般的にはキングとだけ呼ばれるが図鑑などで使われる名前はYellowtail kingfish、これはミナミカゴカマスの事をSouthern
kingfish, Silver kingfishと呼ぶのでYellowtailとつけることで区別する。しかし釣り人の間ではニュージーランドマアジの事をYellowtailと呼ぶのでよくヒラマサとニュージーランドマアジが混乱している会話がでることがある。
阿部宗明博士により1973年にミナミヒラマサと和名提唱されるが現在は日本のヒラマサと同種に分類されている。現在研究中であり近々別種に分類されると思われる。