シマアジ Trevally
最大 Max size: 全長 70cm TL
生息層 Depth range: 0m-200m

●形態・特徴: 背面は青緑で腹部は白銀色、背部と腹部の境目に黄色いラインがかかることがある。胸鰭は長く湾曲し、鰓蓋の上部端付近に黒い点がある。平均サイズは全長30cm〜50cmで大きなものは80cmになる。7〜9本みられる横縞は15cm程度で目立たなくなる、ただし興奮すると現れることがあり、黄色い縦縞は35cm程度で目立たなくなる。
1992年高知大学の山岡耕作教授たちがシマアジに遺伝的に区別できるふたつの集団がいると報告し、2001年に京都大学総合博物館の中坊徹次教授は「以布利−黒潮の魚」中で、このふたつの集団、A型は黄色縦帯が不明瞭なもの、B型は黄色縦帯が明瞭なものに相当すると思われると記載した。

●生息環境: 北島全域と南島の北部に生息するが、暖かい海を好み北島北部に多く生息している。2年で15cm〜20cmに成長し群れをつくる、5年で35cmになる。長生きするものは45年になるが獲り過ぎによりその多くは10年以下になってしまった。回遊はせず1年を通してあまり移動しない。

●釣り: 引きが強く味も良いので釣りの対象魚として人気が高い。引き味が強烈な半面くちびるが弱いので逃がすこともしばしば。船から釣る場合はピルチャードの輪切り等 小さめの光る餌、桟橋からはピピ貝に反応することが多い。持ち帰るには規定のサイズである「体長25cm以上」という条件を満たし、尚且つ持ち帰れる数も20枚〜30枚と地域によって違うので釣りに行く前に調べておくことが必要だ。

●食味: 刺身が最高、その美味さゆえ刺身以外の料理方法はもったいない。非常に鮮度の良い物でも硬すぎずサクッとした歯切れの良い刺身になる。残ったカマや頭部は火を通しすぎない程度に塩焼きにすると美味い。フライは食感が鶏のササミ肉のような感じでアジに比べるとパサパサ感が出るが味は良い。卵や白子も甘辛く煮付けたり鍋に入れたりと用途が多く美味しく頂くことができる。卵は小粒で木目が細かくしっかりとしているため日本酒、塩、砂糖、醤油、唐辛子などに漬けて明太子のように調理すると御飯に合う。

●その他: ニュージーランドでは釣り餌としてシマアジの切り身が一般的に出回るほど馴染みのある魚。
ゴウシュウマダイについで2番目に多く捕獲されその多くは日本へ輸出されている。
ニュージーランド水域にはシマアジPseudocaranx dentex A型、B型の他に、それに類似したPseudocaranx georgianusが生息しているが鮮魚市場や釣り人の間ではあまり区分けされていない。



23th Dec 2015 Noise, 23km north from Auckland 全長40cmTL

9th April 2011 Ahaaha Rock, 23km north from Auckland 全長36cmTL

17th January 2009 Goat Island, 80km north from Auckland 全長 約 approx. 25cmTL

6th December 2008 Little Barrier Island 全長33cmTL

2nd January 2008 Ahaaha Rock, 23km north from Auckland 全長55cmTL


6th October 2007 Mosquito Bay, Kaipara Harbour 全長43cmTL

20th August 2007 Cornwallis Whalf, Entrance of Manukau Harbour 全長8cmTL

22nd February 2001 North Cape 全長50cmTL
中央の個体は別種でP. georgianus  Middle is distinct species P. georgianus