ミナミオオスズキ Hapuka
最大 Max
size: 全長 150cm TL
生息層 Depth range: 5m-854m
●形態・特徴: 一般的にはハプカ又はハプク、グローパーと呼ばれる。またニュージーランドバスを含めたイシナギ科の総称であるレックフィッシュも使われる。背部は青み掛かった灰色から茶色掛かった灰色、腹部は白色。40cm〜50cmの若魚は青みを帯びている。稚魚はニュージーランド水域から見つかっていない。ニュージーランドバスと比べ細身の体形で顔がとがり、下顎がより突き出ている。また体色が背部と腹部ではっきりと分かれる点で区別がつく。平均サイズは全長80cm〜100cmで少なくとも150cm以上に育つ。
●生息環境: 主に北島に生息。南島ではChatham RiseからChatham島にかけても生息しているが、より南のCampbell Plateauでは見つかっていない。水深5m程度から400mの深海まで幅広く生息しているがその移動に関しては未だよくわかっていない。産卵は冬場、しかし産卵場所も稚魚も40cmより小さい若魚も自然界からは見つかっていない。年齢を示す決定的なポイントが無く正確な年齢は計測できないが予想では成長は遅く長生きする。
●釣り: 岩場周辺に生息し釣りの好対象魚。小型の魚は群れているが大型になると単独で行動している。大きなものは150cmで100kgを超えるため大物を狙うにはそれなりの頑丈な装備が必要となる。深場200m〜350mの岩礁の間の砂地帯に集まっていることが多く海底近辺を好む。シーズンは3月〜5月。大きさ規定は無いが1日の数が「Combined bag: 5」と決まっているのでヒラマサとニュージーランドバスとの総数に気をつけること。詳しくはリンク集から「Ministry of Fisheries」のサイトを見ると良い。
●食味: 少し赤みがかった白身魚で身はやわらかい。ほのかな甘味があるがバスに比べると旨味が少ない。鮮度が非常に良い物より熟成は少し時間をかけ5日目くらいが味が出て美味い。身が柔らかく特に皮目に旨味が凝縮しているので鍋物に向くが、刺身でもとても美味しく薄造りをポン酢で食べると最高。ハプカとバスを比べるとバスの方が美味い。
●その他: 漁業的に重要な魚で毎年水揚げ量は上位10位以内に入る。
ハタ科に属する日本のクエやアラと混同されることがあるがミナミオオスズキは現在イシナギ科に分類される。以前はスズキ科とされ、同じくスズキ科とされていたアラの近似種とされていた。分類学はDNA鑑定の登場によって大きく変化した、そのためDNA鑑定が登場する以前につけられた和名が分類上違和感を持つ場合がある。1968年阿部宗明博士が和名提唱。ニュージーランドオオハタと呼ばれることもある。
イシナギ科は全部で6種類が知られており、日本ではオオクチイシナギとコクチイシナギが、ニュージーランドではWreckfishとHapuku wreckfishがこれに含まれる。Fishbaseでは2014年にHapukaからHapuku
wreckfishに名称が改定された。