ニュージーランドヘイク Hake
最大 Max size: 全長 126cm TL
生息層 Depth range: 28m-1000m

●形態・特徴: ニュージーランドヘイクは他のメルルーサ類と比べ頭部の大きさは比較的小さい。体色は銀灰色で上部はより濃く腹部は白い、深海域に生息するものはさらに黒味を帯びる。体は丸細く、頭部が広く眼が大きい。口裂が大きく歯が内側に向かってはえており、上顎内部にも歯が見られる。胸鰭は短く、その先端は体長50cm以上の個体では肛門の直上に達しない。第二背鰭と臀鰭が長く、尾鰭は角ばった形状である。肉食性で小魚やイカを捕食。ヘイクは成長が遅く6年から10年で成魚になり、その寿命は少なくとも25年とされる。平均サイズは全長70cm〜100cmで2kg〜9kg。最大で約130cm,14kg以上になる。

●生息環境: ヘイク類は北半球と南半球の寒冷地に少なくとも12種類が生息するがニュージーランドヘイクが最も寒い水域に生息する。ニュージーランド水域での生息域は限られており、南島周辺、チャタムライズ、プカキライズ、キャンベル海台の水深200mから800mに多く生息する。産卵場所は南島の西海岸が6月から10月、キャンベル海台が9月から2月、チャタムライズが9月から1月。成魚は深海性が強いが、幼魚は南島の極一部フィヨルドランドの浅瀬で見ることができる。

●釣り: いくつかの深海性の魚は稀に浅場で釣れた話や、深海魚を狙った釣りで見る事があるが、絶対数が少ない事や生息域が限られているためニュージーランドヘイクを釣った話は聞いた事が無い。

●食味: ニュージーランドヘイクの身はくせがなく白身で淡白、タラに似る。個人的には精巣は食した事が無いが、卵巣は粒が細かく鯛の卵巣に似る。流通量が少ないため鮮度の良いものが確保することが困難、また深海魚系に多い事だが寄生虫が非常に多いため生食には注意した方が良い。ムニエル、西京焼き、グラタン、ちり鍋、干し物などその用途は広い。卵巣は煮付や鍋物、汁物で美味しくいただける。

●その他: 日本船による底引き網漁では12月から1月に捕られ「メル」「メルルーサ」の名前で輸出されている。ニュージーランドでは5月から9月の間に操業され鮮魚が市場で取引されるが流通量は少ない。冷凍物は一年を通して扱われている。



22nd March 2016 Sandringham Market(Fish Shop), Auckland 全長50cmTL

4th July 2012 Oceanz(Fish Shop), Auckland 全長80cmTL

15th July 2011 Southeast Ocean of New Zealand, Caught by Tomimaru 87 Fishing Trawler