ミナミマグロ Southern bluefin tuna
最大 Max size: 全長 245cm TL
生息層 Depth range: 0m-2743m

●形態・特徴: 幼魚の判別は非常に難しい。マグロ類8種類の中でタイセイヨウクロマグロ、クロマグロに次ぐ3番目に大きくなる種類で最大245cm260kgにまで育つ。 マグロ類の中では中型魚とされる。胸鰭が比較的短く、第二背鰭まで達しない。体表は胸甲部以外も小さな鱗に覆われる。体色は背面が濃い藍色、側面と腹面が銀白色をしている。

<見分け方のポイント>
@胸鰭が第二背鰭基部に達しない 【この事でメバチ、ビンナガ、キハダと容易に区別がつく】

A尾鰭基部の突起部分(矢印黄色)が黄色がかり、小離鰭(矢印青)が黄色に黒縁 【タイセイヨウクロマグロ、クロマグロとの区別がつく】

B腹部を割くと背骨から腹部までの身が厚くコブのように出ている(矢印黄色の部分が長い) 【尾部が切り落とされていた場合でもタイセイヨウクロマグロ、クロマグロとの区別がつく】

●生息環境: 太平洋・インド洋・大西洋の南半球のみに分布する。主に南緯30度から60度にかけての中緯度海域に多く、ニュージーランド海域に来るミナミマグロはオーストラリア北西で産卵した個体が5歳魚以上になってやってくると考えられている。

●釣り: シーズンは4月から7月いっぱいまでの3か月間で、多少前後する。200kg-300kgといった大型で有名なのは南島西海岸のWestportからの大型チャーターボート。ニュージーランドの西海岸は地球の自転の関係で海が荒れている事が多く釣りに行く場合は1週間は予定を押さえておきたい。ウエストポート近海では大型の底引き網漁船がホキやミナミダラといった深海魚を捕獲するために操業している。底引き網船が網を取り込む際に網の隙間からこぼれ落ちる魚を狙ってクロマグロやミナミマグロが群れをなして現れるのでそれをホキ丸一匹付けた餌釣りで狙う。2007年の釣りの記録ではクロマグロ131匹に対しミナミマグロは55匹であったが2008年以降めっきり数が減り、近年ではミナミマグロはほとんど見なくなった。
また40kg-120kgクラスの中型だと北島北東部のトローリングで狙うワイハウベイが有名で、シーズンは6月から7月。岸から深海までの距離が近く、狙えるポイントまで1時間ほどなので一般的なボートで狙えるのがその理由。ミナミマグロ自体はシーズンと共に徐々に北に移動して行きワイハウベイ→ファカタネ→タウランガ→フィティアンガとなる。ワイハウベイ以外は港から2-3時間はボートで走らないといけないため、それなりのコストとチャーターボートが必要になる。捕食のためにそのエリアに集まるというより通過していくマグロを狙う感じなのでトローリングで実績のあるポイントを流していく釣法になる。

実際の釣行動画↓(写真をクリックすると動画にとびます)

●食味:  赤身部分はとても濃い紅色で容易に他のマグロ類との区別ができる、インドネシア産は更に黒に近い。マグロ類全8種の中でニュージーランド産のミナミマグロが最も美味いとされている。実際に旨みが強く酸味が無く、水温の低いニュージーランド水域のマグロは身質が締まっていて、ねっとりとした脂分が寿司や刺身には最高。日本の高級寿司店ではミナミマグロにこだわって使用しているところもある。





●その他: 日本ではインドマグロとも呼ばれる。1994年にIUCNのレッドリストに記載され、このまま漁獲を続けると、100年以内に個体数が500匹を下回るともいわれた。現在は資源管理への取り組みが本格化しているが課題も多い。漁獲されたミナミマグロにはすべてタグ付けされ厳しく管理されている。




17th July 2017Waihau Bay 91.2kg
   

17th July 2017Waihau Bay 66.8kg
 

12th June 2015 Hawkes bay seafood shop 全長124cmTL 20kg