オビレダチ 又は オビレタチ Frostfish
最大 Max
size: 全長 210cm TL
生息層 Depth range: 42m-620m
●形態・特徴: ニュージーランド水域に生息するタチウオ科の魚は3種類が知られている、そのいずれもがはっきりとした二又に分かれる尾鰭がある。オビレタチ以外の2種は珍しく市場に出回ることは無い。体表は輝く銀に少しピンクがかった色をしており非常に綺麗、鰭は濃い色をしている。平均は120cm〜140cm、最大210cmになる。 日本に生息するタチモドキ属(11種)のタチモドキとヤマトタチモドキも尾鰭がある事で混同される事があるが 、オビレタチは オビレタチ属6種に分類される。大きな違いはタチモドキ属が背鰭の棘条は38-46本で、軟条部との境界にはわずかな切れ込みが存在するのに対し、オビレタチ属は背鰭の棘条は3-10本で、軟条部とは切れ込みをもたず連続する。
●生息環境: ニュージーランド全域に生息するが、特に有名なのが北島のWhakataneより東側East Coastの浜辺。冬場凍る寒さの時現れることからFrostfishの名がついた。嵐の後には海岸に無数に流れ着くこともある。200m〜500mの海底山脈などの急なかけあがりに多く生息している。急勾配に生息しているためトロール船での底引きで取れることは稀。
●釣り: 小魚を襲って食べるフィッシュイーター、小さなアジの生餌や魚の切り身を餌にする。歯が非常に鋭いのでゴム管などをつかってハリスが切れない工夫をする必要がある、メタルジグなどのルアーでも釣れる。日中は60m〜150mの険しいかけあがり、夜は沿岸に近い砂泥地のかけあがりがポイント。サイズ規定は無い。
●食味: 鮮度の良い物であれば体表の色素を落とさないように刺身にすれば他の魚ではまねのできない鮮やかさが出る。しかし商業的にあまり重要視されていないため魚屋で売られているものの鮮度は最悪。ぶつ切りにして塩焼きが一般的。生食にする場合は寄生虫が多い魚なので十分注意する必要がある。
●その他: 別名はScabbardfish、刀剣などのさやの意。 眼の黄色いテンジクタチが大量にオーストラリアやアジア諸国から冷凍で輸入されているが尾鰭の形状で簡単に見分けがつく。
マニキュアのラメや模造真珠はタチウオの体の表面を覆うグアニン色素から作られる。
阿部宗明博士により1974年にオビレダチと和名提唱される。1990年海洋資源開発センター発行の「ニュージーランド海域の水族」にはオビレタチと記載される。