ミナミアオトラギス Blue cod
最大 Max
size: 全長 60cm TL
生息層 Depth range: 0m-150m
●形態・特徴: 体色は年齢、性別によってさまざまに変化する。10cmまでの稚魚は白い体色に2本の濃い茶色か黒の縦縞模様がみられ、そのうち1本は目を通り吻まで到達する。その後25cmまでに縦縞模様は薄れてゆく。25cm以上になると青みがかった灰色の背方に頭上部が青緑色になる、腹部は白色。大型の雄は青色の全体に体側が緑がかり目の上は黄銅色の線を帯びる。雌は濃い緑色のまだら模様を見せる傾向にある。平均は30cm-40cmで0.8kg-1.5kg。最大で17年、65cmになる。好奇心旺盛なミナミアオトラギスはダイバーに近づき遊んでもらおうと指を噛んだり後をついてきたりする。泳ぎ始めは尾鰭を使わず胸鰭だけで勢いをつける。英語名にCodとつくが海底についた生活をし、まったくタラ科の魚とは関連性の無いトラギス科の魚。産卵は冬の終わりから初夏にかけておこなわれる、1月から2月にかけて幼魚は水深15mほどの岩礁帯脇の小石や貝殻の多い場所で5cmほどまで育ちその後徐々に浅場へと移動する。1年で10cmほどまで育ち2〜4年で15〜25cmほどの成魚になる。
●生息環境: ニュージーランド全域に生息しているが南島の方がより一般的に見られ大きく成長する。ダイビングで目にすることが多い魚の一つで強い腹鰭を立ててポーズをとっている、また左右の眼球は別々に動かすことができる。それぞれが縄張りを持ち1年を通して同じ場所で生活をし最大でも100kmほどしか移動しない。通常水深100mまでの海草や砂のある岩場に生息しあらゆる海水生物を捕食している。
●釣り: 釣りの対象魚として非常にポピュラー、シーズンは産卵期の9月から11月とされるが1年を通して釣ることができ、特に南島北部のMarlborough Soundsでは大型なものが釣れる。針にかかると回転するためヨリモドシを多用すると便利だ。魚の切り身・貝・イカ・タコなど動物性の餌であればなんでも食べる。岩礁帯の海底付近に生息しているので餌が底につくようにすると良い。また持ち帰るには地域によって異なる規定のサイズや個数があるので注意が必要。
●食味: 歯ごたえがあり澄んだその白身は淡白で非常に上品な味わいだ。一般市場でも簡単に手に入れることができるが値段は少々高め。刺身、あらい、昆布締め、薄造り、マリネ、酒蒸しなどさっぱりといただくのに向いている。