ゴウシュウマダイ Snapper
最大 Max size: 全長 130cm
TL
生息層 Depth range: 0m-200m
●形態・特徴: 稚魚はbreamやbrimと呼ばれ明るい色をしている。若魚になるとピンク色になり上部は赤く、多くの青い斑点が見られる。腹部は薄いピンクから白色。成魚から老魚になるにつれ濃い茶色がかった赤に変化していく。平均サイズは全長30cm〜50cmで0.5kg〜2.5kg。最大で130cm,20kg以上になる。 日本で一般的なマダイP. majorとの見た目の違いは頭長に対する背鰭第1棘長と臀鰭第1棘長の比などわずかに過ぎない。 DNAを調べると起源は同じ魚であるが、日本を含む東アジア・オーストラリア・ニュージーランドの3水域では現在交雑がみられていない。オーストラリアのゴウシュウマダイはニュージーランドの物に比べ、成魚になると明らかに頭部が伸長する。いつの日かオーストラリア産とニュージーランド産は別種として分けられる日が来るだろう。
●生息環境: ゴウシュウマダイの多くは北島周辺に生息し南島の南部にはあまり見られない。成魚のゴウシュウマダイは産卵のため浅場から深場まで移動するが通常50km以下の範囲内である。中には100km以上も移動する場合もあるが稀、産卵は11月から12月。老成魚になると1年を通じて浅い岩礁の周りに生息する。稚魚はすべて雌で3〜4年目から半分の個体が雄になる、寿命は長いもので60年になる。
●釣り: 釣りの対象魚としてニュージーランドでもっともポピュラー。1年を通じ北島であれば陸からでも船からでも簡単に釣れる。ただし持ち帰るには規定のサイズである「体長30cm以上」という条件を満たしていなければならず、数mmでも違反した場合の罰金が$500と高いため多くの人が31cm以上を目安にしている。サイズに関する規定は毎年見直され地域によっても異なるので釣りに行く前に調べておくことが無難だ。
●食味: ゴウシュウマダイの身はクセが無く白身で淡白であるため刺身をはじめ焼き物、煮物、鍋物と用途はきわめて広い。そのうえ、頭、中骨、皮、卵巣、白子と捨てるところがないほどである。日本のマダイに良く似るが身に黒い毛細血管が目立つのが特徴、マダイに比べ身が引き締まっていないので味はかなり劣る。●その他: ニュージーランドで非常に一般的な魚で年間10,000t〜15,000t捕獲される。以前、その多くは日本へ輸出され結婚式の引き出物等に使われるなどしていたが2004年頃から日本での真鯛の養殖が盛んになり現在ではほとんど日本には輸出されていない。